頭の中身が知りたくて~男子大学生が考えていること~

男子大学生である私が普段どんなことを考えているのかを可視化して面白おかしくブログにしています。

「?・・・人間は否定しかできないのだ」~『誰かを貶める笑い』を読んだ感想~

人間は否定しかできないのだ。僕はそう思った。

 

やしおさんのブログ記事『誰かを貶める笑い』https://yashio.hatenablog.com/entry/20191010/1570710558

を読んで、そう思った。

 

内容は各自読んでいただければと思うが、僕はこれを読んで、人間は否定しかできないと、そう思った。なぜなら、記事の内容には「人間が否定すること」しか書かれていないように思えたからである(たった一個の具体例だけで全体をそのように評価してしまうのはいささか問題があるのではないかという批判に対しては甘んじて受け入れる。だってそう言うテイにしないと話が進まないから……)。

 

例えば、「あまりに耐え難いポイントが大きすぎるせいで最後まで視聴できなかった 」とあるが、これはそのアニメに対する否定である、と読者側はとらえることが出来る。例えば、「人々の苦しみによって耳目を集めることが目的なのだとしたら、それは世界をいささかも幸せにしないあり方だから、私は許容しない 」という言葉は、明らかな否定であるとわかる。例えば、「『他人を一方的に自分が気持ちよくなるための道具にしない』という基本的な倫理と実践でしかない 」という言葉も「他人を一方的に自分が気持ちよくなるための道具にする」事への否定である。

 

この文について、少し思うところがあったので、もう少し掘り下げてみると、まずもって「基本的な倫理」ってなんだという話になってくる気がするのは僕だけでしょうか。僕はこの記事に書かれていた「アフリカのサラリーマン」を観ていないが(だって人が途中で観るのしんどくなったって言っているアニメ観たくないでしょう?)、どうしてこのアニメが作られたのかという原因の一端には、「常識」と言ったような観念があると思っている。この「常識」のような観念は非常に厄介なもので、各々自分の持つ常識とは普遍的なものだと思っている人が多いということである。あなたの持つ常識は地球の裏側では通じないかもしれない。同じ人間なのに。ということを、多くの人は知らないのである。こういうことを考えると、この人にとっての「基本的な倫理」とはいったい何なのかと否が応にも思ってしまうわけである。「基本的な倫理」とは何かを書いてほしかったなぁと思うわけである。だから、引っかかったわけだ。

 

で、話を戻す。例えば、「みんなが守ろうとしてるものを壊す俺はすごいだろ、という作り手と、他者を上手に尊重しながらより高次の笑いや成果を目指そうとする作り手がいたとしたら、後者の方がやっぱかっこいいなと思う 」と言う言葉は、前者を否定しているように見えるわけである。何が言いたいかというと、否定が多いよねと言うことである。誰かを否定して貶める笑いを作る人を否定してブログに書いているのである。これは誰かを否定して貶める笑いを作る人と何が違うのだろうか。この行為(ブログを書くこと)は、「他人を一方的に自分が気持ちよくなるための道具にしない」に反していないのだろうか。だとしたら、本人にとってのその基準は何なんだろうか。疑問である。

 

マルクス・ガブリエルという、ドイツの新進気鋭の哲学者がいる。ご存知の方も多いかもしれない。「ユニコーンは存在するが、世界は存在しない」という言葉で有名な、新実在論を唱える人物である。すごく簡単にこの「ユニコーンは存在するが、世界は存在しない」という言葉を説明すると、ユニコーンは世界という枠組みの中に存在しているが、世界は世界という枠組みの中で存在していないので世界は存在していないということである。難しいね。で、このマルクス・ガブリエルの口癖の一つに、「人間は動物である」という言葉がある。この言葉は、彼が哲学者であるからこその言葉であると僕は思っている。「人間は動物である」とは、人間は意識的に人間でいなければ、つまり理性を働かせなければ、動物と同じで感情的な生き物であるということを示していると考えられる。彼は「考えること」を生業にしている哲学者であるからこそ、己という存在はすぐに考えることを放棄してしまう存在なのだということを己に知らしめるために口癖のようにその言葉を言っているのではないかと僕は勝手に思っている。

 

何が言いたいのかというと、人間というものは、自分のことを実はよく知らないし勝手なのだろうということである。だから、誰かを否定して貶める笑いを作る人を否定してブログに書くのである。僕は誰かを否定して貶める笑いを作る人を否定してブログに書くことは全然良いと思っているし、この記事に書いてあった内容に対してなにかこれと言って批判したいわけではない(基本的な倫理って何?とは思うが)。しかしながら、その行為は矛盾していないのだろうか、基本的な倫理に沿って考えた時にそれは基本的な倫理から反れていないだろうか、ということを一万歩に一歩くらいの割合で考えたほうが良いんじゃないの?そしたら誰かを貶める笑いもなくなるんじゃないの?と思った。という話でした。ちゃんちゃん(最初の感想全然なくなっちゃったよ!)。